社会改革について、ユニークな提案をしてる本。
国民の生存権をないがしろにする、今の国家・政府は認められない。
けれど、暴動やテロによって無理矢理に体制を転覆させても、より良い社会など到来しないだろう。
ならば、どうするか?
私たちの社会は、さまざまなレイヤー(層)に覆われてる。
例えば、近所の公園。そこを覆ってるレイヤーは「公有地」「遊び場」「災害時の避難場所」「ホームレスの寝床」などなど。
同様に、日本全土を「独立国家」というレイヤーで覆ってしまおう…そう著者は訴える。
そのレイヤーを認識してる賛同者たちが、生存権を重視する政策を、協力しながら実行するのだ。既存社会とはレイヤーが異なるから、バッティングすることはない。
暴力による“革命”ではなく、認識を拡げる“拡張”。何ともアクロバティックな手法です。
荒唐無稽にも思えるし、画期的とも思える。
実現可能性はさて置き。ヒネリの効いたアイデアでもって変革をもたらそうとする、柔軟すぎる思考には、大いに刺激を受けました。