天竺堂の本棚小説

絶体絶命の地下空間 厳しい選択迫る 『方舟』

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 地下洞窟に設けられた3層の建築「方舟」。
 たまたま男女が集まってるところに地震が発生、出入口が岩で塞がれると同時に、地下水が浸水し始める。全滅の危機。
 やがて、誰か1人が犠牲になれば、他が助かると判明。
 そんな中で殺人事件が起きてしまう。

 …思考実験みたいなミステリ。

 閉鎖空間での犯行の手口を推理する謎解きも面白いんだけど、厳しい哲学的・倫理的な問題がまた興味深い。
 殺人犯こそが犠牲となり、他の全員を助けるべき…と主人公は考えるものの、「死ぬ者を決める資格が自分にあるのか?」「犯人に犠牲を強いる方も人殺しでは?」などと苦悩することに。

 誰が助かり、誰が死ぬのか? それとも全員が死ぬのか? そもそも、こんな状況で殺人を犯すことに意味はあるのか? 
 息苦しい謎が積み重なる果てに、オドロキの結末が待ってるぞ。
 一気読みでした♪

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