読んだ者が発狂したり、失踪してしまうという古書『女學生奇譚』。
どこかの屋敷に監禁されてたらしい女学生の手記(古書の内容)と、その謎を主人公のフリーライターが追っていく様子が、交互に物語られる。
不気味な緊張感がジワジワと盛り上がっていき、なかなかに読ませるぞ。
事件に挑む主人公は、恐怖を感じない特異体質で、住んでるのは事故物件。しかも双子の弟がいて、しかも殺人狂のモンスターで、現在は服役中だと。
この主人公に加え、本書にはやたらと“濃い”キャラクターがたくさん出てくる。1冊で退場させるにはもったいないほどの盛り込みよう。
手記の女学生を、次第に狂気がむしばんでいく。
それと呼応するように、主人公の周囲で怪現象が頻発する。
で、どう決着するのかと思ったら、何とも意外なフィニッシュ。オドロキというか拍子抜けというか、読み始めからは予想できなかった読後感です。
続編への意欲満々、みたいな…?
良くも悪くも「問題作」と言えるかもw