16世紀フランスの思想家による、有名な随想録。全3巻より11編を抜粋。
「エッセイ」の元祖に当たるらしい。個人の身辺雑記が出版され、広く読まれるなんてことは、本書以前にはなかったそうな。
書斎にこもる読書人にして、法官や市長も務めたという著者。
さまざまな人生経験とともに、それらを通しての思索や、古典からの引用などがつづられてる。
高尚なだけでなく、“結石の理不尽な痛みについて自らを納得させるためにはどのように考えるべきか”なんて妙に人間くさい記述も。
理想を希求する気高さと、弱さやおろかさを容認する度量が、イイ塩梅に混ざり合ってる。
西欧の知識人なのに、“中庸”っぽい東洋的な価値観を重視してるところも興味深い。
普段の生活、日々を堅実に暮らしていくことの大切さについて、改めて気付かせてくれます♪