天竺堂の本棚

奇妙で不穏な物語 再読で印象変化 『ピース』

ジーン・ウルフによる、初期の長編小説。  アメリカの田舎町に住んでる男性の、自伝的なモノローグ。なんだけど、何ともあやふやで不可解。  エピソードの時系列が、よく分からない。主人公が生きてるのか死んで... 【続きを読む】
施設長の学び!

伝えるべきは“承認”

ウチの施設では定期的に、発達障害者支援センターから指導を受けています。障害のある人たちが働く福祉作業所として、支援の質的向上などを図っているのです。  先日は、センターのスタッフさんから、こまめに確認... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

宇宙規模の追跡劇 イカダで星々巡る 『エンディミオン』(上・下)

ダン・シモンズによるSF4部作の第3部。  業務上過失致死みたいな罪で死刑になった主人公が、謎の人物に助けられ、ある少女の命運を託される。ついでに、人類を支配する巨悪の壊滅や、喪われた地球の発見など、... 【続きを読む】
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エッセイ

筒井康隆流の小説作法 『創作の極意と掟』

筒井康隆による、小説作法についてのエッセイ集。  作家として、読者として、長年培ってきた知見が、「迫力」「異化」「文体」などの項目ごとにまとめられてる。  極意と言うほど厳密ではないし、掟と言うほど絶... 【続きを読む】
施設長の学び!

B型事業所に求められているもの

隣町にある就労継続支援B型の福祉作業所。 飲食店を運営しており、地元では「おいしい」と評判です。  売上アップを目指し、土・日曜や祝日もほとんど休まずに営業を続けていたのですが。 近ごろ、日曜と祝日が... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

濃密な格闘群像劇 物語は最終決戦へ 『獅子の門 鬼神編』

夢枕獏の格闘小説、30年かけての完結編。  格闘技に情熱を燃やす青年5人と、それを見守る達人・羽柴彦六の物語…だったはずなんだだけど、闇の格闘家・久我重明の存在感が増大。青年たちや彦六までも喰ってしま... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

壮大にして緻密 “多元中継”の妙味 『ハイペリオンの没落』(上・下)

大河SF4部作の第2部。 前作『ハイペリオン』の“解決編”みたいな位置付け。  オムニバス的だった前作と異なり、戦場や宇宙空間、電脳空間、会議室、廃墟、遺跡、未来世界などなど目まぐるしく場面が入れ替わ... 【続きを読む】
施設長の学び!

“自立”を希求した人々 『福祉と贈与』

「ここだけしか自分を受け入れてくれるところはないのだ、生きる場所なのだ、と自分にいい聞かせ、それからの日々は、自分の意志を殺して、かわいがられる障害者として、不利益になる立場を避け、自分が正しいと思う... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

SFネタの“見本市” 超大作の開幕編 『ハイペリオン』(上・下)

名高いSF大作の開幕編。  辺境惑星にある古代遺跡を訪ねる巡礼たちが、それぞれの身の上を順番に語っていく構成の、オムニバス短編集。  巡礼7人の物語は、ジャンルもテイストも多種多彩。秘境探検あり、サイ... 【続きを読む】
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