天竺堂の本棚

宇宙規模のドンパチが 拡がる大風呂敷 『天冥の標9 ヒトであるヒトとないヒトと』(1・2)

小川一水の大河SFシリーズ第9部。  再び前進し始めた物語が、クライマックスへと盛り上がっていく。 明らかになった“真相”は、それなりに衝撃的ではあったけど、小さなスケールにまとまってしまいそうな予感... 【続きを読む】
マンガ

監獄ピカレスクロマン 壮大な幕切れへ 『ジョジョの奇妙な冒険6 ストーンオーシャン 』(1~17)

監獄を舞台にしたピカレスクロマン…と思いきや、中盤でガラリと路線変更。 物語は回を重ねるごとに過剰に壮大になっていき、とうとう宇宙が終わるわ、再生するわという事態に。  作者が拡げた大風呂敷。それは畳... 【続きを読む】
施設長の学び!

援助を求めるという“強み”

キャンパスソーシャルワーカー(CSW)とお話しする機会がありました。 大学に所属し、学生たちを対象に相談支援を行なう、ベテランの社会福祉士です。  日々持ち込まれる問題は、勉学から恋愛まで、実にさまざ... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

物語世界の“真実”や“外側”あらわに 『天冥の標8 ジャイアント・アーク』(1・2)

小川一水の大河SFシリーズ第8部。 第2部で何百年も時代をさかのぼり、そこから時系列に語られてきた物語が、第1部につながる。  2分冊の前半は、第1部の物語を別の視点から語り直したもの。 第1部で脇役... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

シェルターの子供たち 生き延びる闘い  『天冥の標7 新世界ハーブC』

小川一水の大河SFシリーズ第7部。珍しく前作の直後から始まる。  太陽系規模のカタストロフを受け、地下都市がパニックに陥った小惑星セレス。巨大シェルターに避難した子供たちの集団が直面する、過酷なサバイ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

カタストロフ招く 賤民たちの怒り 『天冥の標6 宿怨』(1~3)

小川一水の大河SFシリーズ第6部。 全10部で構想される本シリーズは、半ばを過ぎて大きな転換点を迎える。  物語を引っ張るのは、致死性のウイルスを撒き散らすために賤民のように扱われてる患者集団「救世群... 【続きを読む】
ノンフィクション

若者むしばむ “滅私奉公”風土や奨学金 『ブラック企業と奨学金問題』

若年層をむしばむ社会問題の実際が分かる本。 多重債務者を支援する団体が開いたシンポジウムでの、専門家たちの発言をまとめたもの。  長時間労働などの違法を強要するブラック企業でも、若者たちは正社員という... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

宇宙規模の背景 徐々に明らかに 『天冥の標5 羊と猿と百掬の銀河』

小川一水の大河SFシリーズ第5部。  小惑星にある農場で日々の仕事に追われる、男やもめの農夫が主人公。 低重力の閉鎖環境で営まれる農業の様子とか、従事してる農民たちの暮らしぶりなどが、詳細に描かれてい... 【続きを読む】
施設長の学び!

“いつもどおり”を演出する

当ブログを書くに当たり、地域性などは出さないつもりだったのですが。 この4月に地元で起きた熊本地震は、無視することができない大事件でした。  私が勤めている福祉作業所は、熊本県南部の八代市にあります。... 【続きを読む】
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