小田嶋隆のエッセイ集というかコラム集。
巷に蔓延するポエムの数々を、徹底的に叩いてます。
著者が言うところの「ポエム」とは、文芸としての「詩」とは別モノ。
明確に定義されてる訳ではないけど、“現実を美化しようとしたり、人々に同調圧力をもたらそうとしたりする、妙に曖昧で感情過多な言葉”みたいな。
古舘伊知郎のナレーションとか。震災復興ソングとか。居酒屋甲子園の熱血なノリとか。五輪招致でのスローガンとか。Jポップのカタカナ英語とか。
すきあらば、私たちに空虚な“感動”を押し付けてくるポエムの数々。これらへの注意や警戒を怠らないよう、著者は呼びかける。
ポエムがもたらす「良かったね~」という空気の向こうに、建設的な何かが残ることはない。虚しさが繰り返されるだけなのだ。
それでも、はびこりすぎたポエムは、もはや社会の深いところに根付いてしまってるように思える。
タイトルの「万歳」は「お手上げ」の意味だったりしてw