施設長の学び!現場の学び

数字を見せつけられようとも

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改めて数字を見せつけられ

 先日、行政機関から興味深いメールが送られてきました。
 県内すべての就労継続支援B型事業所で支払われている、工賃額実績をまとめた一覧表でした。

 工賃額のランキングではなかったものの。
 ウチの施設は、全体平均よりも低い工賃額であることが分かりました。

 金額的なポジションについては、おおむね自覚していたつもりですが。
 一覧表で改めて数字を見せつけられると、やはり胸中がザワつくものを覚えました。

 たまたま同じ日。
 利用者のAさんが「毎日が楽しい」と言っていることを知りました。教えて下さったのは、Aさんを担当する相談支援事業所のB相談支援専門員です。

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施設や支援を評価してくれる利用者

 在宅期間が長く、福祉施設の利用は未経験だったAさん。2カ月ほど前から、ウチに通っています。生活リズムが整っておらず、環境への過敏さを抱えていることもあって、当面は午後1時間だけの利用に。
 私は正直「通えるだろうか?」と危ぶんでいたのですが、Aさんはほとんど休むことなく来所し、短時間の作業に黙々と集中していました。

 利用を始めてから数週間後。B専門員と面談したAさんは「毎日通って作業をするのが楽しい。勇気を出して施設に通ってみて良かった」と笑顔で語ってくれたそうです。
 「利用時間を少しずつ伸ばしていくなど、今後の支援の展望が開けます。おたくにお任せして良かったです」と嬉しそうなB専門員。私も嬉しくなり、職員たちに報告して喜びを分かち合ったものです。

 Aさんは1時間しか作業をしないため、施設の平均工賃額を引き下げます。
 工賃アップが求められている福祉作業所にとってAさんは、いささか困った存在ということになるでしょう。

 無論、ウチにとってAさんは困った存在などではありません。
 むしろ反対に、施設や支援を評価してくれる、ありがたい利用者と言えます。

 あえて工賃額は追わず、利用者が伸び伸びと働ける施設を、ウチは目指しているのではなかったか…?
 そのように思い返していたところ、いつの間にか、胸中のザワつきは消え去っていました。

photo credit: chez_sugi IMGP2315 via photopin(license)

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