団鬼六の人物評伝。
天才的な真剣師(賭け将棋のギャンブラー)の破天荒すぎる生涯を、愛憎入り交じった筆致でつづる。
プロ棋士さえ圧倒する強さから「新宿の殺し屋」などと呼ばれた。
一方で、金銭トラブルが絶えなかったという。恩人(著者も含めて)を何度も裏切り、駆け落ちを繰り返して、酒におぼれ、孤独に病没した。
そんな中、通天閣将棋道場で行なわれた2日がかりの7連戦など、数々の伝説的対局で見せた棋力は怪物的だったそうな。
どうしようもないダメ人間。なのに、すっごく魅力的。
私たち凡人を魅了する天才の輝きって、人間性や道徳なんかとは別次元にある。そのことがよく分かります♪