カート・ヴォネガットの自伝的(?)SF。
時間の流れから解き放たれた主人公が、みずからの人生をランダムに俯瞰する。
第二次大戦に出兵して猛爆撃に遭ったり、思いがけず大富豪になったり、奇妙な異星人に拉致されたり…。これら過去・現在・未来にわたる個人的な出来事の数々は、傍目から見れば、数奇とも言えるし、陳腐とも言える。
生涯の悲喜こもごもを、他人事みたいにながめ続ける主人公。
物語全体に「そういうものだ」との言葉が散りばめられ、諸行無常の乾いた諦念が漂ってる。
シニカルでユーモラスで淡々としていてバカバカしい、なのに心の深いところを刺激する。ドップリひたってしまいます。
これまで何度も読み返してきたし、これから何度も読み返しそう。
良くも悪くもどんな人生でも、私たちは生きてるし、生きていくしかないと思い知らされる。
この物語を10文字以内でまとめるなら、「どっこい生きてる」でしょうか♪