深山幽谷の草庵で、悠然と思索にふけったり。洞窟や僧房の暗がりで、無我の境地を求めたり。有機無農薬栽培の作物を食べ、天然繊維の簡素な服を着て、スピリチュアルな仲間と晴耕雨読の共同生活をおくったり。
…これらの人たちは、何だか高尚なことをやってるように思える。敬われるべき立派な態度にも思える。
だけど、見方を変えれば、自分の価値観とは相容れない社会に背を向け、好き勝手にふるまえる小さな世界での充足を目指してるだけとも言える。
これって、ある種の引きこもりではなかろうか。
少なくとも、絶交されてしまった“外”の私たちが、ことさらにほめたたえるべきものではなさそう。なるべくほっとこう。
とは言え、これが家族だったら、何かと面倒だろうなぁ。
…このスリリングな物語を読みながら、そんなことを考えました♪