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園旅行の参加・不参加に思うこと

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園旅行の参加・不参加に思うこと

 ウチの施設には「園旅行」という行事があります。
 利用者さん対象の旅行企画で、数年おきに開催しています。

 バスや列車をチャーターして行楽地などに出かけ、景勝地を散策したり、郷土料理を食べたり、お土産を買ったり、みんなで楽しみます。
 以前は宿泊旅行でしたが、利用者さんたちの高齢化に合わせて、近年は日帰り旅行に。

 5年ぶりに先日、園旅行を挙行しました。
 新型コロナウイルスの流行を受け、何度も延期していたのです。

 ところが、園旅行に参加した利用者さんは、全体の半数程度でした。
 園旅行自体は好天に恵まれて盛況だっただけに、企画した私としては、参加が少なかったことが残念でなりません。

 参加が少なかったのは何故か?
 その理由は、園旅行に参加しなかった利用者さんの共通点を考えてみて分かりました。

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多様化に留意できていなかった

 週末はいつも自宅で過ごす人。騒がしい雑踏が苦手な人。支援学校時代に運動会や式典が嫌いだった人。定められた日課をこなすような暮らしぶりで、刺激が少なくて馴染みのある環境を好む……。
 参加しなかったのは、自閉的な傾向が比較的強い利用者さんたちでした。

 普段の日課からは逸脱しているし、見ず知らずの土地を訪れるし……彼らにとって園旅行は、できるだけ避けたい行事なのでしょう。
 遠出する機会の少ない利用者さんたちに、楽しい経験をしてもらいたい。そのような趣旨で続けてきた園旅行であっても、歓迎できない人たちがいることに気付かされました。

 ウチの施設は、ダウン症の実弟の存在から始まっているため、開設当初は知的障害の利用者さんが多かったのですが。歳月を経るうちに、いつしか精神障害や発達障害などの利用者さんが増えていました。
 利用者さんの多様化に、私は留意できていなかったのです。

 園旅行は今後、全員参加を前提とせず、頻度や規模を縮小しながら続けることになりそうです。
 併せて、参加しない利用者さんたちの意思を、自然な形で尊重しなければなりませんね。

Image by freepik

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