野村総研の研究者らが、2030年の日本を予見したリポート。
少子高齢化の進行により今後、700万人以上の労働力が失われてしまうことは確定的。その穴は、高齢者や女性や障害者らをフル活用できたとしても埋められない。
対策として挙げられるのは、外国人労働者の受け入れと、人工知能(AI)やロボットの導入。
ところが、前者は厳しいらしい。他の先進国に比べて日本は、言語習得の困難さや、賃金水準の低さなどから、職場としての魅力に欠けてるそうな。
そこで本書は、労働現場でAIやロボットを活用した場合の、小売と流通、ヘルスケアの3分野における、近未来のシミュレーションを提示。
機械によるサービスや、個人情報の一元管理などは、私たち国民がどこまで受容するか拒否するかによって、状況が変わる。それに合わせて、パターンごとのシナリオが細かく考察され、説得力がある。
巻末には、AIやロボットの導入による、さまざまな職業の代替可能性がリストにまとめられてる。
アルバイト頼みのコンビニとかは業態が変わりそう。“事務”へのニーズは減っていく一方に思える。医療は二極化するかも知れない。
これからの5年、10年での、社会の激変を思うと、何だかクラクラしてきます…。