「プロシューマー」という言葉があります。
生産者(プロデューサー)と消費者(コンシューマー)を組み合わせた造語で、求める製品やサービスなどを自分で開発・商品化する消費者を指します。
プロシューマーに当たる人材は、福祉作業所にも存在します。
某大学の教授から、ひとつの事例を教わりました。
その施設では、利用者さんたちの中から、作業能力や意欲の高い人たち複数名を雇用。正職員として働いてもらっているということです。
当事者目線での支援実践
プロシューマーの利点として、教授は「当事者目線での支援が実践できる」「利用者さんたちの模範的存在になる」などを挙げています。
実際、プロシューマーたちは、健常の職員に勝るとも劣らない働きぶり。刺激を受け、利用者さんたちの作業能力も向上していると聞きました。
抜擢したプロシューマーは、全員が精神障害者。雇用に当たって施設側は、医療面でのバックアップ体制を整え、本人や家族への説明を徹底させたそうです。
欧米では珍しくないという、福祉分野のプロシューマー。
国内でも今後、例えば“当事者スタッフ”のような形で、障害のある人たちのワークスタイルのひとつになるのかも知れません。