施設長の学び!研修の学び

「教える」と「一緒にやる」

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間違い許される「一緒にやる」

 支援する側、支援される側…両者の関係性について、しばしば考えます。
 良好であるに越したことはないのですが。何をもって良好とするのか、そのためにはどうすべきなのか、模索する日々が続いています。

 先日、“教え方”についての興味深い意見を聴きました。
 シリコンバレーの企業などで働いた経験を、日本で人材育成に活かそうとしている、ある起業家の講話でした。

 その起業家によると、誰かに何かを習得させる方法は「教える」と「一緒にやる」に大別されるそうです。
 前者は、“教える側”が“教わる側”へ一方的に、知識や技術を伝達します。後者は、“教える側”と“教わる側”が一緒に、課題や作業に取り組みます。

 「教える」の場合、伝達される事柄には常に正しさが求められます。
 正しいかも知れないし、間違いかも知れない…という不確実な状況では、「教える」は成り立ちません。

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想定外の事態が学びになる

 これに対し、「一緒にやる」の場合は、間違いが許容されます。
 課題や作業に取り組む過程で、錯誤や失敗など想定外の事態が生じても、それらは“事例”という学びになるからです。

 ウチのような福祉作業所では、多くの場合、職員からの指示・指導のもと、利用者さんたちが授産作業に従事しています。「教える」の関係性に近い、正しさを要求されがちな環境でしょう。
 しかし、障害のある人たちにとっては、起こり得る間違いへの対処が経験できる「一緒にやる」が、むしろ大切なのでは…そのようにも思えます。

 職員と利用者さんの間には、上意下達の硬直化した関係性が生じがち。
 もちろん、日々の作業において「教える」でなければならない局面は多いのですが。だからこそ、「一緒にやる」の姿勢を、常に意識しておきたいものです。

photo credit: Rawpixel Ltd Diverse people stacking hands together via photopin (license)

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