京極夏彦の連作短編集。
明治中期の東京郊外に建つ、謎めいた書舗「弔堂」が舞台。
悩みや問題を抱えた顧客に、「どのような本をご所望ですか」との時代劇的キメ台詞が出て、“大切な一冊”が渡される。
江戸から明治への大きな転換期の様相を、本という媒体でもって浮き彫りにする、ユニークな物語。
本に込められたものが、読むという行為によって、読者の脳裏に立ち上がる…つまり、本とは“墓”みたいなもので、読書は“墓参り”だと。妙に納得。
「京極堂」シリーズや「巷説百物語」シリーズにつながる趣向もあるぞ♪