不登校の原因をマクロな視点で考察した本。
不登校が年々増加してる背景には、この社会の「子供が学校にかようのは当たり前」という“大前提”あるいは“自明性”みたいなものが、崩壊しかかってる実態があるらしい。
かつて学校は、教師という“聖職者”がいる厳粛な空間だった。人生を豊かにする教養を身に付ける場であり、立身出世に欠かせないステップでもあった。
ところが現在では、教師や学舎から威厳が消えてしまった。受験向けの知識が偏重される半面、学歴は陳腐化して高収入と結び付きにくくなってる。
教育の起源、公教育や学校の成り立ち、そして不登校の発生に至るまでが丁寧に述べられ、強い説得力が。
学校が以前の地位に戻るなんて、もはや不可能ではないかと思えてくる。
「学校に行かないのは何故?」ではなく、「学校に行かなければならないのは何故?」と問う時代に入ってるようです…。