押見修造のマンガ。
主人公・大島志乃は吃音(作中での言及はない)に悩む高校生。
しゃべろうとすると発話がおかしくなり、焦るほどに何も言えなくなってしまう。教師やクラスメイトらは、志乃のつらさを理解できず、冷ややかに笑ってる。
そんな志乃に、普通に接してくれる友達ができて…という物語。
吃音は発話障害のひとつで、当人の先天的な要因と、環境の要因が合わさって生じるらしい。努力でどうにかできるものじゃない。
しゃべろうとしてしゃべれなかった時の、志乃をさいなむ恥ずかしさや自己嫌悪、無力感が、読んでいてヒリヒリと伝わってくる。
作者自身が吃音とのことなので、強い説得力があります。
このマンガの終わり方、克服して栄光を勝ち取るでもなく、諦念や達観に沈むでもない、ちょっとナナメ上を行く幕切れは、吃音の苦しみを知る作者だからこそ描けたんだろうな♪