上下2巻なんだけど、“大河”とも言える壮大さ。
人類に奉仕するために造られたロボットの、“種族”としての運命を、何十万年ものスケールで描き出す。
さまざまな使命を負わされたロボットたちのエピソードが、長大な時間の流れの彼方で交錯する。
「前史」ということは、この物語の後にも……なんて思わせたり。
『鉄腕アトム』や『火の鳥』に通じる“手塚治虫マインド”みたいなものにあふれてる。
絵柄はシンプルでスタイリッシュなのに、素朴な温かみも感じさせるし。抑制された演出の裏側に、深い背景世界の存在がうかがえるし。
この作者の特徴が十二分に活かされてるカンジ。
サラリとしていて上品そうだけど、しっかりとした読み応えがあるという。極上のコンソメスープみたいな作品♪