資本主義も民主主義も行き詰まりかけてる今は、私たちの選択次第で未来が大きく変わる「大分岐」の時代だ…として、社会の“次”を見定めようと、哲学者やジャーナリストらが対談してる本。
議論百出だけど、大まかな方向性は示されてる模様。
情報技術の発展で、モノやサービスは無料に近付いており、AIやロボットの導入で、単純労働は無くなろうとしてる。なのに、富は少数に集中、大多数が困窮してる。
そこで、ベーシック・インカムや現物給付によって貧困層を強制的・義務的な労働から解放し、下からの社会的協働を活発化させていく。目指すのは、無償の社会的協働が進展してたり、富が民主的に共有・管理されてる、持続可能な協同型経済の社会らしい。
一方で、民主主義を熟議型として“再起動”し、国民国家の枠を超えて拡張させるため、哲学教育でもって人々の倫理リテラシーを涵養すべきとのこと。
興味深かったのは、ポストキャピタリズムでは「勤労は善」という倫理観が通用しなくなるので、勤労以外に価値を見出す生活を模索しなきゃならない……みたいな言説。
みんなが好きなことに打ち込んで生きていける社会なら、到来してほしいなぁ♪