福祉の現場にいると、しばしば悩みを相談されたり、困難を打ち明けられたりすることがあります。
時には、相手の悲惨さや深刻さに圧倒され、おいそれと返答できなくなる局面も。
このような場合、どう対処すべきなのでしょうか?
元気づける? ひたすら聴き役に徹する? 共に涙を流す? 可能な範囲で助言をする?
「そんなにつらい状況で、どうして頑張ってこられたのですか?」
「今まで耐えることができたのは、何故だと思います?」
“頑張ることができている”自覚うながす
このような問いかけを「コーピング・クエスチョン」と呼びます。直訳すれば「対処質問」でしょうか。
「サバイバル・クエスチョン」とも呼ぶそうです。
現在までの経緯を語ってもらうことで、相手に“頑張ることができている”との自覚をうながす狙いがあります。
たとえ過酷で重篤で絶望的であろうとも、それらを乗り越えて“生きてここにいる”のです。この事実に気付き、自身の力を実感すれば、その人は立ち上がるためのきっかけをつかめるでしょう。
生きてここにいる…何でもないことのように思えますが、それは評価にあたいするのです。
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