熊本県が誇るゆるキャラ「くまモン」。
ゆるキャラとしての知名度は、おそらくナンバーワンでしょう。その人気は県内外をはじめ海外にまで及びます。
2020年10月、熊本県八代市の八代港に、大型クルーズ船停泊拠点「くまモンポート八代」がオープンしました。くまモンの国際的な人気でもって、外国人観光客を呼び込もう…そんな狙いがあったようです。
ところが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、状況が暗転。国際クルーズ船の運航が全面的にストップし、国内外の観光需要も消えてしまい、閑散とした日々が続いたそうです。
コロナ禍の状況を見ながら、入園が段階的に解禁され、オープン1年後の2021年10月には、県外からの観光客も入園可能に。これが本格的なスタートでしょうね。
好天に合わせ、ブロンプトンで訪れてみました。
自宅近くの八代高校前から、愛車で出発。4車線の県道366号、通称「臨港線」を西へ向かいます。
しばらく進むと、行く手に小さな山が。大島です。かつては離島でしたが、干拓によって八代平野と地続きになり、現在に至ります。
大島の手前で左折。県営八代運動公園のスタジアムが見えてきました。その向こうに広がるのが、八代市の港湾地帯です。
案内板を頼りに、倉庫や工場、材木置場などの間を走り抜け、目指す「くまモンポート八代」に到着しました。
さまざまなくまモン像たちが
広大な駐車場に、乗用車がパラパラと。コロナ禍がなければ、大きな観光バスが何十台も並んでいたことでしょう。
施設の周りを、無骨な鉄パイプの柵が囲んでいます。感染防止策として、出入口を1箇所に絞ってあるようです。
ブロンプトンの乗り入れは、できそうにありません。仕方なく駐輪スペースへ。自転車は私のブロンプトンだけでした。
ポートの中は、芝生が拡がる公園で、大小のくまモン像があちらこちらに配置されています。報道によると、全部で84体とのこと。
目を引かれるのが、身長6メートルという巨像「ビッグくまモン」。八代海(不知火海)を背景に、「おっとっと」とばかりに右足を挙げています。一緒に写真を撮っている来園者を、多く見かけました。
くまモン像はさまざまで、54体が半円形に並んだ「くまモン大合唱」や、干支にちなんだ12体が輪になっている「十二支くまモン」などなど。
大合唱の前では、くまモンっぽい衣装を着けた女の子たちが、ダンスを撮影していました。プロモーションビデオか何かでしょうか?
公園内には、神社や竹林、日本庭園なども整備。外国人観光客向けと見られます。
くまモンポートの中枢は、海側に建っている旅客ターミナルです。
現時点では、まだクルーズ船の寄港はありません。立派な建物ですが、ガラス窓から中をのぞいてみたところ、ひと気がなくガランとしていました。
ターミナルのそばには販売エリアがあり、土産物や軽食など10店のテナントが入っている模様。ですが、営業していたのは3店でした。まだ集客を見込める段階にはないということでしょうか。
この日は家族連れでにぎわっていましたが、施設の本領は、やはり大型クルーズ船を受け入れてこそ発揮されるはず。コロナ禍が過ぎ去り、クルーズ船が寄港するようになることを願うばかりです。
くまモンポートは総事業費185億円。地元民としては、元を取ってもらわなければ困ります。
くまモンポートの西側は、昔ながらの埠頭です。のんびりと竿を出している釣り人がチラホラ。
私はここで、ブロンプトンの写真を撮りました。本当はビッグくまモンの前で撮りたかったのですが、それは次の機会に。