利用者さんからの相談が、深刻な内容で、心に重くのしかかることがあります。
さまざまな相談が重なって、どれを優先して支援すべきか、混乱することもあります。
そのような時は、プライベートな生活にまで、しばしば影響が及びます。
レジャーの最中にフッと気がかりになる程度で終わるかも知れませんし、眠れなくなるほどのストレスにまで発展していくかも知れません。
社会福祉士の資格を取得する過程で、私は相談支援を行なうための技法や心構えなどを学びました。
資格を取得した後も、社会福祉士会の研修などによって、専門的な技術や知識の向上に努めています。努力目標ではありますが。
しかし、自分の“心”を守るノウハウは教わっていません。
心理・精神の分野、学ぶ機会少ない
先日、臨床心理士の方から、「転移」と「逆転移」の話を聴きました。
来談者がかつて近親者に抱いていた好悪の感情を、治療者へ向けることを「転移」と呼びます。来談者が抱いている好悪の感情に、治療者が共感したり巻き込まれたりすることを「逆転位」と呼びます。
このような感情の動きを、臨床心理士は洞察・自覚しつつ、場合によっては治療に活用するそうです。
心理・精神の分野については、別に専門職が確立されているためか、社会福祉士として学ぶ機会が少ないように思えます。
“心”についての技術や知識は、社会福祉士にも必要とされるはずです。…自分を守るために。支援を続けるために。
photo credit: shewatchedthesky via photopincc