福祉関連の研修などに参加すると、しばしばロールプレイ(役割演技)が行なわれます。
先日参加した社会福祉士会の研修では、「支援計画の説明」についてのロールプレイを体験しました。
退院後の社会復帰に不安を抱えているクライエント(来談者・当事者)のために、支援者が会議を開き、退院後の取り組みを説明する…という設定。登場人物は、クライエント、クライエントの姉、相談支援を担当する社会福祉士、訪問介護に当たる介護専門職、行政側担当者の5人です。
問題を抱えたクライエント(来談者・当事者)の役を、私が演じることになりました。
社会福祉士が取り仕切り、クライエントや姉に説明をしながら、支援者たちに話を振ります。それを受けて、支援者役の人たちは、支援計画に沿った対応策などを述べます。
誰かの“身になって考える”
クライエント役の私は、支援者役の人たちの話を聴きながら、「ここにいる人たちは何者なのか?」「私に何をしてくれるのか?」との疑問を抱きました。
また、会議が進むうちに、自分の話す機会が少ないように思えてきました。「私についての会議なのに、私の意見が考慮されていない」という不満や不安を、私は覚えました。
ロールプレイの後には、振り返りを行ないます。
私は「支援者はまずクライエントに自己紹介をしてほしい」「クライエントには小まめに意思確認をしてほしい」と言いました。
研修参加者としての意見を述べたつもりですが、クライエントとしての素直な気持ちであり、要望だったような気もします。
研修でのロールプレイは、誰かの“身になって考える”きっかけをもたらしてくれます。
短時間の体験でも、少なからぬ気付きが得られました。
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