ロボット工学から脳科学まで網羅してる、理系研究者が“死”を考察した本。
私たちが行動する際、脳が認識するよりも先に身体が動いてることが、近年の研究で明らかになった。
よって、「意識」や「心」と呼ばれているものは、身体活動をモニタリングする“追認機能”でしかない。
思考に基づいて行動してるつもりでいた私たち。
だけど実は、行動が先行し、それを後から意味付けしてるのだ。
自由意思は幻想に過ぎない…と著者は主張する。
好き勝手に行動する身体を、映画みたいに観てるのが人生。
人生の上映が終わって真っ暗になる、それが“死”というものらしい。
そう気付いて、著者は死ぬのが怖くなくなったそうな。
とは言え、そんな理屈でもって恐怖を克服できるかどうかは、人それぞれ。
少なくとも私は、上映後の暗闇に呑まれるのが怖い。
死生観は“理屈でない”ことが分かってしまう本でしたw