障害のある人たちの“自立”を目指して支援を行なうことが、私たちの仕事です。
けれど、目標となる“自立”については、さまざまな考え方があり、定まってはいません。
一方、障害者の“自立”へ向け、「支援し続けなければならないこと」「支援をやめていくべきこと」については、明確に例示されています。
発達障害者支援の専門家が教えて下さったことですが、障害者福祉全般に通じると思います。
私たちが行なっている“支援”とは、2種類に大別されるそうです。
ひとつは「ヒントや手助け」。もうひとつは「行動の伴走」。
行動する“力” を育てる
前者「ヒントや手助け」とは、作業などを行なう際、使用するスケジュールやマニュアルのこと。これは残し、使い続けてもらう“支援”です。
後者「行動の伴走」とは、作業などを行なう際、支援者が直接的に関わること。これは軽減させ、やがては無くしていくべき“支援”です。
福祉の現場では、しばしば後者が重視されがち。
もちろん、軽視はできませんが、支援者による“伴走”が利用者さんに頼りにされているうちは、行動する“力”は育ちにくいと思われます。
「行動の伴走」には段階があるとのこと。
最も“重い”支援は「身体の動きをガイドする」です。利用者さんに寄り添って、行動を丁寧にサポートします。
その次が「手を添える」で、さらに「実際にやって見せる」「指をさして教える」「言葉をかける」と続き、最も“軽い”支援が「見守り」とされます。
支援者の見守りも要らず、利用者さんがスケジュールなどを参照しながら行動できるようになれば、ひとつの“自立”が達成されたと言えるでしょう。
ただ、このように教わると、支援を軽減させていくことばかりに目が向きそうです。
支援の軽減と同時に、利用者さんが独力で活用できる“ツール”を用意しておくことが大切…とクギを刺されました。
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