施設長の学び!考え・気付き

寿司を注文する“自立課題”

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寿司を注文する“自立課題”

 近所にある、全国チェーンの回転寿司店。しばしば家族で訪れます。
 この店では、客席に回って来ないメニューを注文できるよう、すべての客席にタブレット型コンピュータが設置されています。

 私には息子がいます。これを書いている時点で4歳。
 まだひらがなを書くことさえおぼつかないのですが、回転寿司店のコンピュータを操作し、寿司を注文することはできます。

 息子にコンピュータの操作法などを教えてはいません。
 小学4年の娘が、何度か注文して見せたようです。息子はそれだけで、自力で操作ができるようになったと思われます。

 ところで先日、発達障害者支援センターが行なう、自立課題製作のワークショップに参加しました。

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営利から学べること

 自立課題とは、ある種の教材です。発達障害がある人たちに、何らかの作業スキルを身に付けてもらったり、達成感を覚えてもらったり、自信を養ってもらうことなどが目的。個々人の課題に合わせて用意するため、もっぱら支援者が作ります。
 製作には試行錯誤が伴うので、高価な材料は使いません。お菓子の空き箱やリボン、プラスティックの容器など、身近にある不要品を活用します。

 自立課題は、実際に使ってもらいながら、改良を重ねて完成させます。
 ワークショップでは、作った自立課題を参加者同士で交換し、使い勝手などを検証し合いました。

 自立課題を検証するチェックポイントは5つ。
 「最初から最後まで1人でできるか?」「課題の目的はひとつか?」「教わらなくても何をすべきか分かるか?」「器具や部品の配置が整理されているか?」「終了が明確か?」

 これらのチェックポイントを見れば、前述した回転寿司店のコンピュータは、“自立課題”としてとても優れていることが分かります。
 企業側の“不特定多数の人たちに寿司を注文してもらう”という営利上の目的が、結果としてコンピュータによる合理的配慮につながっているのです。

 そこに福祉的配慮の精神は無いのかも知れません。けれど、営利がもたらす合理的配慮から、私たちが学べることは少なくないでしょう。

photo credit: lestaylorphoto via photopincc

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