ある研修会で、発達障害者の身体感覚を体験するワークを行ないました。
私たち参加者は、軍手を3枚重ねで両手にはめ、ひとつの小さな穴からしか外が見られない特殊なゴーグルを装着。
人工的に“不器用”で“視野狭窄”になった状態で、廊下を移動したり、エプロンを自分で着たりする体験をしました。
ワーク後、参加者からは「発達障害のある人の困難が分かった」「このような障害を踏まえ、生きづらさに寄り添う支援が大切」などの感想が。
おおむね、支援者側の理解や共感を高めるような結果が出ていたように思われます。
手法や道具などを改善するきっかけに
私自身は、やや異なる方向へ考えが転がっていきました。
ウチのような就労継続支援B型の事業所では、廃品回収や部品組立、屋外清掃や菓子製造、対面販売など、さまざまな授産作業が行なわれています。
これらの作業を、軍手と特殊ゴーグルを着けた支援者が体験してみるのです。
作業の困難さが浮き彫りになるであろうことは、容易に想像できます。
しかし、そこで終わらせず、授産作業を“軍手を3枚重ねで両手にはめ、穴から外を見るゴーグルを着けた状態”で無理なく行なうためには…と建設的に考えます。
手法や道具などを改善する、大きなきっかけになるのではないでしょうか。
“軍手を3枚重ねで両手にはめ、穴から外を見るゴーグルを着けた状態”で実際に、公園を清掃したり、料理を配膳したり、紙箱を組み立てたりしてみれば…。
精神面とは別の成果が得られそうです。