谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編第2巻。短編集2冊の合本。
前巻で開戦時のエピソードが語られた第一次外惑星動乱、その大戦の輪郭を、太陽系各所での大小さまざまな戦いを通して浮き彫りにする。
人類初の宇宙戦争なんだけど、派手なドンパチが展開する訳じゃない。
互いが見えない遠距離からセンサー類を駆使したり、敵艦の軌道を予測しながら武器を放ったり…潜水艦の戦いにも似た緊張感や閉塞感がるという。そこが新鮮。
印象的だったのは、後半の第3話「アナンケ迎撃作戦」。
絶望的な迎撃戦を控える前線作戦室が舞台。そこへ、母星で勃発したクーデターとか、玉砕覚悟で出撃する艦隊とか、そんな断片的な情報が続々と入ってくる。
大戦終結までの切迫した状況が、密室劇として描かれてる。これまた新鮮でした♪