天竺堂の本棚 緻密なミステリ どんでん返しに驚嘆 『秘密』(上・下) ケイト・モートンの長編ミステリ。 主人公は少女時代、片田舎の実家で暮らしてたころ、不審な男を母親が刺殺する場面を偶然目撃してしまう。 長じて国民的大女優となった主人公は、死の床にある母親を前に、うやむ... 【続きを読む】 2014.07.25 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 「ダイバーシティ」で国力増大へ 『ローマ人の物語:ローマは一日にして成らず』(上・下) 塩野七生の歴史文学(主観や想像が多いことなどから、歴史書ではないらしい)。 文庫版全43巻の1、2巻。紀元前753年のローマ建国と、7代続いた王政、その後の共和制まで。 弱小国家だったローマは、周辺の... 【続きを読む】 2014.07.22 天竺堂の本棚小説
マンガ 幕末ギャグマンガ シュールな志士たち 『サカモト』 山科けいすけの4コマ時代ギャグマンガ。 舞台は幕末。主人公は坂本龍馬。 幕藩体制を逸脱する行動力を見せた龍馬だけに、誰とどう絡んでも違和感がない。 絡む相手は、サツマイモ原理主義者の西郷吉之助、モチ肌... 【続きを読む】 2014.07.14 マンガ天竺堂の本棚
天竺堂の本棚 奇妙で不穏な物語 再読で印象変化 『ピース』 ジーン・ウルフによる、初期の長編小説。 アメリカの田舎町に住んでる男性の、自伝的なモノローグ。なんだけど、何ともあやふやで不可解。 エピソードの時系列が、よく分からない。主人公が生きてるのか死んでるの... 【続きを読む】 2014.06.27 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 宇宙規模の追跡劇 イカダで星々巡る 『エンディミオン』(上・下) ダン・シモンズによるSF4部作の第3部。 業務上過失致死みたいな罪で死刑になった主人公が、謎の人物に助けられ、ある少女の命運を託される。ついでに、人類を支配する巨悪の壊滅や、喪われた地球の発見など、無... 【続きを読む】 2014.06.16 天竺堂の本棚小説
エッセイ 筒井康隆流の小説作法 『創作の極意と掟』 筒井康隆による、小説作法についてのエッセイ集。 作家として、読者として、長年培ってきた知見が、「迫力」「異化」「文体」などの項目ごとにまとめられてる。 極意と言うほど厳密ではないし、掟と言うほど絶対的... 【続きを読む】 2014.06.07 エッセイ天竺堂の本棚
天竺堂の本棚 濃密な格闘群像劇 物語は最終決戦へ 『獅子の門 鬼神編』 夢枕獏の格闘小説、30年かけての完結編。 格闘技に情熱を燃やす青年5人と、それを見守る達人・羽柴彦六の物語…だったはずなんだだけど、闇の格闘家・久我重明の存在感が増大。青年たちや彦六までも喰ってしまう... 【続きを読む】 2014.05.28 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 壮大にして緻密 “多元中継”の妙味 『ハイペリオンの没落』(上・下) 大河SF4部作の第2部。 前作『ハイペリオン』の“解決編”みたいな位置付け。 オムニバス的だった前作と異なり、戦場や宇宙空間、電脳空間、会議室、廃墟、遺跡、未来世界などなど目まぐるしく場面が入れ替わっ... 【続きを読む】 2014.05.12 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 SFネタの“見本市” 超大作の開幕編 『ハイペリオン』(上・下) 名高いSF大作の開幕編。 辺境惑星にある古代遺跡を訪ねる巡礼たちが、それぞれの身の上を順番に語っていく構成の、オムニバス短編集。 巡礼7人の物語は、ジャンルもテイストも多種多彩。秘境探検あり、サイバー... 【続きを読む】 2014.05.07 天竺堂の本棚小説