アメリカの祝祭日にちなんで編まれた18の短編集。
いささか奇妙な物語が“前景”にあって、同時に“後景”では重要な何かが進行してる…というウルフならではの話が多いんだけど、本書は比較的読みやすい部類かも。
風刺が利いた話、寓話みたいな話、不気味な話、不条理な話、などなどバラエティ豊か。
第11話の「能力の低いノンフィクション・ライターがレポートを書いたらどうなるか」という趣向なんて、ヒネられすぎていて楽しむのが難しいぞ。
その他、情緒と余韻がある第14話や、SFなのに民話っぽくて宗教的な第17話とか、マボロシの第18話とも言うべき「まえがき」とか、なかなかに刺激的。
何度でも読み込める魅力があるところは、やはりウルフ作品です♪