ウチの施設で先日、職員対象の救急救命訓練を行ないました。
地元消防署から招いた救急救命士の指導で、ダミー人形を相手に心肺蘇生法を学ぶというものです。
年に一度の訓練でも、十数年ほど続けてきたおかげで、心肺蘇生法の変化に気付きました。
昔はダミー人形の口に直接、人工呼吸を行なっていました。現在の訓練は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAED(自動体外式除細動器)使用が中心です。
私たちの“常識”は、揺るぎないように見えるけれど、実際には少しずつ移り変わっています。
もしも今、救急救命の現場で人工呼吸を行おうとしたら、感染症リスクを懸念する人たちが止めに入るかも知れません。
このような“常識”の変化は、障害者福祉にも見られます。
アップデートされている…?
障害者への支援とは、以前は「障害がもたらす困難を、訓練によって克服させること」。今では「社会や環境に働きかけて、障害から困難が生じないようにすること」でしょう。
障害者の自立とは、かつては「支援を受けなくても生活を成り立たせられること」でした。それが近年「支援を受けながら主体的に生きること」へと変わってきている模様。
…と書いてはみたものの、正しく表現できているでしょうか?
福祉をめぐる知見や価値観の変遷について、私が初めて学んだのは、社会福祉士の受験勉強でした。
あれから十数年。変化はさらに進んでいるものの、それが自分の中でアップデートされているのかどうか、あまり自信がありません。
前回の記事では、私自身の変化について書いたのですが。
それ以上に社会の変化が大きく、捉えきれていない自分の不勉強を痛感させられます。