天竺堂の本棚小説

呪術的に描かれる古代中国の“礼” 『周公旦』

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『周公旦』

 メールなどで何らかの交渉をする際、丁寧で謙虚な文章を心がけていれば、そう無下に扱われはしない。直接対面するなら、身だしなみを整え、相手を尊重する態度で臨めば、少なくとも剣呑な事態は避けられるだろう。
 礼儀って大切ですよね。

 本書は、古代中国・周の偉人・周公旦についての、伝奇的な伝記。
 ほとんど神話に近い時代、周公旦は周王朝の礼制を定め、礼学の基礎を築いたとされる。

 著者の独自解釈や想像が多そうだけど、周公旦が行なう礼の儀式が、多分に呪術っぽく描かれてたりして面白い。
 大作『陋巷に在り』での、原始的な医術の描かれ方に通じるかも。

 やがて礼は、社会や国家のプロトコールみたいなものになり、中華文明の拡大をもたらした。
 後世に儒学としてまとまると堅苦しいけど、本来はもっと生き生きとして柔軟だったのかも、という著者の視点は興味深いです♪

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