ダウン症の実兄“ヒロ”の日常を、妹の視点で紹介した、風変わりなイラスト集。美大での卒業制作を書籍化したそうな。
平日は入所施設で暮らし、週末を実家で過ごす兄の姿を、デザインを学ぶ妹が、シンプルな描線で巧みに捉えてる。
ユーモラスな仕草も、やや奇異な行動も、ちょっと距離を置いたところから、愛おしむでも嘲るでもなく、クールに見つめてるところが、障害者と共に育ってきた“きょうだい児”ならでは。
ヒロの頭頂に“お花”が生えてる、表紙のイラストは、きょうだい児でなければ描けないだろう。
兄を観察する一方で、「自分は兄の存在をどう思っていたのか?」などと内省を深めたり、「母親は兄にどう接してきたのか?」などと視野を拡げたりもしてる。
障害者がいる家族の“ありのまま”を紹介した本であり、著者が一段“成長”するきっかけとなった本でもあるようです♪