天竺堂の本棚小説

絶望的な逃避行 父娘が見出す絆 『拳銃使いの娘』

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『拳銃使いの娘』

 イジメられっ子としてビクビクしながら生きてた少女の前に、突然、強盗を働いて服役してたはずの父親が現れる。
 釈放と同時に、因縁のあったギャングの首領から処刑宣告(家族全員)が下されたため、11歳の娘を守りに飛んで来たそうな。
 すでに母親は殺されたことが分かり、父娘は絶望的な逃避行へ…という物語。

 なかなかにハードな状況だけど、陰惨な方向には進まない。

 父は生きるための知識や技術(首の締め方とか、ギャングの組織構成とか、強盗の手口とか)を娘に授け、娘はそれらを全身で吸収しながら父との絆を確かめる。
 娘はたくましい成長を見せ、父はガッツを取り戻す。

 犯罪者が犯罪者を養成してるという困った側面はあるものの、『子連れ狼』っぽい要素のおかげで、ギャングどもを相手に奮闘する父娘を応援したくなってくるぞ。
 娘が持ち歩いてる熊のヌイグルミが、助演男優(?)賞的にイイ味出してたり。
 ピカレスクロマンとして面白く読めました♪

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