天竺堂の本棚

イラっとくるやらガッカリするやら恥ずかしいやら 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

主人公は鈍感なんじゃなかろうか? 人生の重大な岐路が迫っていても、相手が繊細な内面を明かしてきても、ありのままに認識することなく、夢や幻みたいな“不思議な出来事”として捉えてしまう。で、後になって「あ... 【続きを読む】
施設長の学び!

“頼る”ために“頼られる”

障害者就労に関する研修で、興味深い講話を聴きました。 お話しされたのは、複数の障害者施設を持っている法人の理事長さん。 弟さんに知的障害があることがきっかけで、福祉の業界に飛び込んだそうです。 現在、... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

サスペンスがテンコ盛り 怒涛の展開 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』(上・下)

前作からそのまま続き、怒涛の展開が待ってる。 ただし、大暴れしたヒロインのリスベットは、本作ではあまり動かない(動けない)。 国家を揺るがす陰謀と戦う主人公たちのグループと、その陰謀を画策した秘密組織... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

荒ぶるヒロイン リスベットの魅力 『ミレニアム2 火と戯れる女』(上・下)

主役級ヒロイン、リスベット・サランデルの魅力につきる物語(良い所は他にもたくさんあるんですけど)。 小柄で痩せぎすで無愛想。恰好はトゲトゲしいパンクファッション。20代後半なのにハイティーンにも見える... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

ロンドンで競演 「伯爵」「名探偵」「博士」たち 『虚ろなる十月の夜に』

ロジャー・ゼラズニィによる、ホラー風味のファンタジー。 19世紀のロンドン近郊が舞台。 恐るべき何かを召喚しようとする者たちと、それを阻止しようとする者たちが、秘密裏に進める魔術的ゲームの顛末。 主人... 【続きを読む】
ノンフィクション

“泡沫候補”の実際 選挙制度へ一石 『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』

選挙において「泡沫候補」と揶揄される人びとに密着した、ユニークなルポルタージュ。 著者は「無頼派独立候補」との呼称を用い、ジャーナリストとして一定の距離を保ちながらも、個々の人柄や主張などを丁寧に取材... 【続きを読む】
ノンフィクション

精神科病院廃絶法 イタリアの立役者 『精神病院のない社会をめざして バザーリア伝』

精神科医フランコ・バザーリアの評伝。 1978年、イタリアにおいて世界初の精神科病院廃絶法「180号法」を成立させた、その立役者として有名な人物。 監獄さながらの劣悪な施設に隔離・収容されてた患者たち... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

古典ミステリの名作にワクワク 『ローマ帽子の秘密』

エラリー・クイーンのデビュー作にして「国名シリーズ」第1作。 ライトな訳文が好評な半面、ライトノベルっぽいカバーに賛否が分かれる、角川文庫版を読みました。 舞台公演中に客席で起きた殺人事件の謎へ、クイ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

南米での冒険活劇 重厚な読み応えも 『ヒストリア』

池上永一の長編小説。 第二次大戦末期、沖縄の大空襲を生き延びた主人公・知花煉が、移民として南米ボリビアに渡り、たくましく生きる姿を描く。…というだけに終わらない、とてつもなく濃密な物語。 移民たちの苦... 【続きを読む】
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