天竺堂の本棚

目をそむけられない 日常の問題 『クジラアタマの王様』

冒険と刺激に満ちた別の世界で生きたいと願ったり。ここではないどこかに“真のオレ”がいるに違いないと思ったり。 そんな夢想にふけってた青少年のころから、何十年も経った現在。 オッサンになってしまった自分... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

“発展”の是非 読み手に問いかける 『言の葉の樹』

ル=グウィンの長編SF。 宇宙連合エクーメンがもたらす文明を受け入れた、惑星アカが舞台。 アカの支配勢力は、産業や経済を飛躍的に発展させる半面、それまでの文化を全否定しようとしてた。徹底的な焚書。 エ... 【続きを読む】
施設長の学び!

「○」や笑顔を増やす支援

私の失敗の話をします。何年も前、実習先での経験です。 失敗をきっかけに、多くの学びが得られました。これは学びの話でもあります。 実習先の施設にいた、利用者Aさん。 自閉傾向が強いせいか、周りにいる人た... 【続きを読む】
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カノジョさえいれば 夢想抱く探偵 『IQ2』

無差別殺傷事件を起こした男が、犯行前にネットで「彼女さえいればこんな惨めに生きなくていいのに」なんてつぶやいてたそうな。 カノジョができたら、どんなオトコでもハッピーになれるのか? ハッピーになれるか... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

創設からの歩み さまざまな視点で 『夢見る帝国図書館』

国立国会図書館の前身とされる帝国図書館を題材にした、ちょっとユニークな小説。 人物パートと図書館パートが交互につづられる。 前者は、主人公の女性ライターが偶然出会った、天真爛漫な老女・喜和子さんをめぐ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

異なる自分を生きる 複雑怪奇なミステリ 『イヴリン嬢は七回殺される』

今この文章を書いてる自分と、昨日の自分や、一昨日の自分って、同一人物なのだろうか?  どれも自分なんだから、同じでアタリマエ。 と思いがちだが、改めて考えてみれば、今の自分と過去の自分では、経験とか影... 【続きを読む】
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風変わりで魅力的 LAの無許可探偵 『IQ』

ロサンゼルスに住むアフリカ系アメリカ人。20代半ば。無許可の探偵。 明敏な知性、鋭い観察眼、大胆な度胸と行動力、奇妙なボランタリー精神の持ち主。銃器は嫌いだが、知識は豊富。地元の地理、犯罪組織の事情、... 【続きを読む】
施設長の学び!

「教える」と「一緒にやる」

支援する側、支援される側…両者の関係性について、しばしば考えます。 良好であるに越したことはないのですが。何をもって良好とするのか、そのためにはどうすべきなのか、模索する日々が続いています。 先日、“... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

イタい男女の言動 巧みに描く中編集 『木に登る王』

スティーブン・ミルハウザーの中編集。 全3話いずれも、男女の愛憎っつーか、浮気に絡んだ三角・四角関係の物語。 ニンゲンは愚かで弱いから、惨めな自分に真正面から向き合うなんて、そうそうできはしない。 裏... 【続きを読む】
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