エッセイ

そこにしか無いもの 感じ取る紀行文集 『ラオスにいったい何があるというんですか?』

村上春樹の紀行文集。  やや過激なタイトルにも思えるけど、これはベトナム経由でラオスに入る際、著者がベトナム人から訊かれたことだと。「ラオスにあるものはベトナムにもあるけど、その逆は無い。なのに、わざ... 【続きを読む】
施設長の学び!

工賃は何を反映しているのか?

ウチの施設が加入している、小規模な福祉作業所で組織するローカルな団体。 先日、施設長(管理者)らによる会合に出席したところ、互いの近況報告の中で、「利用者さんたちに工賃額をいくら支払えているか」が話題... 【続きを読む】
ノンフィクション

悲哀も卑しさも 読ませるルポルタージュ 『一発屋芸人列伝』

お笑いコンビ「髭男爵」のツッコミ役・山田ルイ53世が、世間に“一発屋”として認知されてる芸人たちを取材したルポルタージュ。  著者自身が一発屋だけに、毀誉褒貶を味わい尽くした者同士だからこそ訊けること... 【続きを読む】
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天竺堂の本棚

労働賛美の道徳を批判 ラッセルの随筆集 『怠惰への讃歌』

バートランド・ラッセルの随筆集。 書かれたのは1928~1932年だけど、今読んでもなかなかに刺激的。特に労働についての記述が興味深い。  著者は「幸福と繁栄に到る道は、組織的に仕事を減らしていくにあ... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

大戦に負けた米国 架空史の世界で  『高い城の男』

学校給食にパンと牛乳が出る。宇宙戦艦ヤマトがデスラー総統をやっつける。「UCLA」のトレーナーが流行する。英語はできないのにカタカナ言葉は使いたがる。 …第二次世界大戦に敗れた影響が、日本社会のいろん... 【続きを読む】
施設長の学び!

“障害者に見えない”つらさ

福祉専門職の実習生たちが、ウチの施設での実習初期、そろって口にする疑問があります。 「利用者のAさんは、どこに障害があるのですか?」  裏を返せば「Aさんは健常者にしか見えない」ということです。 物言... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

第二次外惑星動乱 過酷な消耗戦へ 『工作艦間宮の戦争』

谷甲州によるSF「航空宇宙軍史」の新シリーズ2作目。  第二次外惑星動乱の勃発までを描いた『コロンビア・ゼロ』の続編。 秘密裏に技術革新を進めてた外惑星連合の新造艦が、航空宇宙軍の根拠地への奇襲攻撃を... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

汚染された近未来 鋭い文明批判 『錆びた太陽』

恩田陸の近未来SF。  舞台となる日本は、原発事故によって国土の2割が居住不能になり、ゾンビみたいな連中が徘徊してる。 広大な汚染区域を監視するアンドロイドたちの前に、国税庁から派遣されてきたという元... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

スーパーヒロイン 度外れた活躍 『ミレニアム5 復讐の炎を吐く女』(上・下)

人気シリーズも第5部を数えると、リスベットのスーパーヒロインぶりが度外れてきてるカンジ。  ハッキングの技量はチートの域。殴り合いにも滅法強く、洞察力もズバ抜けてる。つーか、ズバ抜けすぎて、もはや“名... 【続きを読む】
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