エッセイ そこにしか無いもの 感じ取る紀行文集 『ラオスにいったい何があるというんですか?』 村上春樹の紀行文集。 やや過激なタイトルにも思えるけど、これはベトナム経由でラオスに入る際、著者がベトナム人から訊かれたことだと。「ラオスにあるものはベトナムにもあるけど、その逆は無い。なのに、わざわ... 【続きを読む】 2018.07.29 エッセイ天竺堂の本棚
施設長の学び! 工賃は何を反映しているのか? ウチの施設が加入している、小規模な福祉作業所で組織するローカルな団体。 先日、施設長(管理者)らによる会合に出席したところ、互いの近況報告の中で、「利用者さんたちに工賃額をいくら支払えているか」が話題... 【続きを読む】 2018.07.28 施設長の学び!現場の学び
ノンフィクション 悲哀も卑しさも 読ませるルポルタージュ 『一発屋芸人列伝』 お笑いコンビ「髭男爵」のツッコミ役・山田ルイ53世が、世間に“一発屋”として認知されてる芸人たちを取材したルポルタージュ。 著者自身が一発屋だけに、毀誉褒貶を味わい尽くした者同士だからこそ訊けること、... 【続きを読む】 2018.07.23 ノンフィクション天竺堂の本棚
天竺堂の本棚 労働賛美の道徳を批判 ラッセルの随筆集 『怠惰への讃歌』 バートランド・ラッセルの随筆集。 書かれたのは1928~1932年だけど、今読んでもなかなかに刺激的。特に労働についての記述が興味深い。 著者は「幸福と繁栄に到る道は、組織的に仕事を減らしていくにある... 【続きを読む】 2018.07.07 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 大戦に負けた米国 架空史の世界で 『高い城の男』 学校給食にパンと牛乳が出る。宇宙戦艦ヤマトがデスラー総統をやっつける。「UCLA」のトレーナーが流行する。英語はできないのにカタカナ言葉は使いたがる。 …第二次世界大戦に敗れた影響が、日本社会のいろん... 【続きを読む】 2018.06.18 天竺堂の本棚小説
施設長の学び! “障害者に見えない”つらさ 福祉専門職の実習生たちが、ウチの施設での実習初期、そろって口にする疑問があります。 「利用者のAさんは、どこに障害があるのですか?」 裏を返せば「Aさんは健常者にしか見えない」ということです。 物言い... 【続きを読む】 2018.06.15 施設長の学び!現場の学び
天竺堂の本棚 第二次外惑星動乱 過酷な消耗戦へ 『工作艦間宮の戦争』 谷甲州によるSF「航空宇宙軍史」の新シリーズ2作目。 第二次外惑星動乱の勃発までを描いた『コロンビア・ゼロ』の続編。 秘密裏に技術革新を進めてた外惑星連合の新造艦が、航空宇宙軍の根拠地への奇襲攻撃を成... 【続きを読む】 2018.06.11 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 汚染された近未来 鋭い文明批判 『錆びた太陽』 恩田陸の近未来SF。 舞台となる日本は、原発事故によって国土の2割が居住不能になり、ゾンビみたいな連中が徘徊してる。 広大な汚染区域を監視するアンドロイドたちの前に、国税庁から派遣されてきたという元気... 【続きを読む】 2018.06.01 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 スーパーヒロイン 度外れた活躍 『ミレニアム5 復讐の炎を吐く女』(上・下) 人気シリーズも第5部を数えると、リスベットのスーパーヒロインぶりが度外れてきてるカンジ。 ハッキングの技量はチートの域。殴り合いにも滅法強く、洞察力もズバ抜けてる。つーか、ズバ抜けすぎて、もはや“名探... 【続きを読む】 2018.05.21 天竺堂の本棚小説