天竺堂の本棚

濃密な格闘群像劇 物語は最終決戦へ 『獅子の門 鬼神編』

夢枕獏の格闘小説、30年かけての完結編。 格闘技に情熱を燃やす青年5人と、それを見守る達人・羽柴彦六の物語…だったはずなんだだけど、闇の格闘家・久我重明の存在感が増大。青年たちや彦六までも喰ってしまう... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

壮大にして緻密 “多元中継”の妙味 『ハイペリオンの没落』(上・下)

大河SF4部作の第2部。 前作『ハイペリオン』の“解決編”みたいな位置付け。 オムニバス的だった前作と異なり、戦場や宇宙空間、電脳空間、会議室、廃墟、遺跡、未来世界などなど目まぐるしく場面が入れ替わっ... 【続きを読む】
施設長の学び!

“自立”を希求した人々 『福祉と贈与』

「ここだけしか自分を受け入れてくれるところはないのだ、生きる場所なのだ、と自分にいい聞かせ、それからの日々は、自分の意志を殺して、かわいがられる障害者として、不利益になる立場を避け、自分が正しいと思う... 【続きを読む】
スポンサーリンク
天竺堂の本棚

SFネタの“見本市” 超大作の開幕編 『ハイペリオン』(上・下)

名高いSF大作の開幕編。 辺境惑星にある古代遺跡を訪ねる巡礼たちが、それぞれの身の上を順番に語っていく構成の、オムニバス短編集。 巡礼7人の物語は、ジャンルもテイストも多種多彩。秘境探検あり、サイバー... 【続きを読む】
施設長の学び!

サービス化・商品化の危うさ 『福祉と贈与』

重そうな荷物を担いでいるお年寄り。歩道橋の前で立ち往生している風情です。 すると、通りかかった若者が、歩道橋の向こうまで荷物を運んでくれました。お年寄りは若者の親切を喜ぶでしょう。お年寄りを手助けでき... 【続きを読む】
天竺堂の本棚

無理難題さえ論じる 学者たちの“論芸” 『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』

大阪大学の学生たちによって企画・制作された本。 阪大の理系・文系の教員13人に、「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」について、それぞれの学問領域から論じさせてる。 工学の先生はドーナツの穴ギリギリまで... 【続きを読む】
マンガ

オトナ向けに アベンジャーズを再構成 『アルティメッツ』(1・2)

映画「アベンジャーズ」の元になったアメコミ。 従来のマーベル系コミックを、リアルなテイストで、オトナ向けに再構成してある。 アメリカの安全保障政策に組み込まれたスーパーヒーローたちが、異星人と戦ったり... 【続きを読む】
施設長の学び!

果樹園のような経営を

「我が社は“果樹園経営”を目指しています」 中小企業家同友会の例会で聴いた、ある社長さんの言葉です。 この社長さんの会社は、住宅リフォームが事業の中心。果物とは関係ありません。 果樹園とは、経営のスタ... 【続きを読む】
マンガ

諸星大二郎の伝奇巨編 『西遊妖猿伝 大唐編』(1~10)

諸星大二郎のライフワーク的な伝奇巨編。 講談師による講釈というスタイル。 基になってる「西遊記」に比べ、やや史実に寄った物語。玄奘がインドを目指した唐の時代を、背景に取り入れてある。 大冒険活劇であり... 【続きを読む】
スポンサーリンク