天竺堂の本棚 カノジョさえいれば 夢想抱く探偵 『IQ2』 無差別殺傷事件を起こした男が、犯行前にネットで「彼女さえいればこんな惨めに生きなくていいのに」なんてつぶやいてたそうな。 カノジョができたら、どんなオトコでもハッピーになれるのか? ハッピーになれる... 【続きを読む】 2019.10.07 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 創設からの歩み さまざまな視点で 『夢見る帝国図書館』 国立国会図書館の前身とされる帝国図書館を題材にした、ちょっとユニークな小説。 人物パートと図書館パートが交互につづられる。 前者は、主人公の女性ライターが偶然出会った、天真爛漫な老女・喜和子さんをめ... 【続きを読む】 2019.10.01 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 異なる自分を生きる 複雑怪奇なミステリ 『イヴリン嬢は七回殺される』 今この文章を書いてる自分と、昨日の自分や、一昨日の自分って、同一人物なのだろうか? どれも自分なんだから、同じでアタリマエ。 と思いがちだが、改めて考えてみれば、今の自分と過去の自分では、経験とか... 【続きを読む】 2019.09.29 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 風変わりで魅力的 LAの無許可探偵 『IQ』 ロサンゼルスに住むアフリカ系アメリカ人。20代半ば。無許可の探偵。 明敏な知性、鋭い観察眼、大胆な度胸と行動力、奇妙なボランタリー精神の持ち主。銃器は嫌いだが、知識は豊富。地元の地理、犯罪組織の事情、... 【続きを読む】 2019.09.17 天竺堂の本棚小説
施設長の学び! 「教える」と「一緒にやる」 支援する側、支援される側…両者の関係性について、しばしば考えます。 良好であるに越したことはないのですが。何をもって良好とするのか、そのためにはどうすべきなのか、模索する日々が続いています。 先日、... 【続きを読む】 2019.09.06 施設長の学び!研修の学び
天竺堂の本棚 イタい男女の言動 巧みに描く中編集 『木に登る王』 スティーブン・ミルハウザーの中編集。 全3話いずれも、男女の愛憎っつーか、浮気に絡んだ三角・四角関係の物語。 ニンゲンは愚かで弱いから、惨めな自分に真正面から向き合うなんて、そうそうできはしない。 ... 【続きを読む】 2019.08.29 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 理不尽と苦悩 乗り越えた家族 『重力ピエロ』 本書の主人公には、特殊な弟がいる。 ちなみに私にも、特殊な弟がいる。 私の弟はダウン症。偶発的な染色体異常で、700分の1ほどの確率で発症するらしい。ダウン症は知的障害などを伴うため、クジなら“ハズ... 【続きを読む】 2019.08.19 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 遠大すぎるロマン SF大作の開幕編 『三体』 ノーベル賞を受賞した日本の科学者たちは、みんな口ぐちに基礎研究の大切さを力説してる。 ネットの端々で「今日のコンピューターは今より1世紀ほど前に行われた数学の基礎研究なしには成立し得ないが、当時はその... 【続きを読む】 2019.08.16 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 些細だけど奇妙な 読ませる7編 『私たち異者は』 スティーブン・ミルハウザーの短編集。全7編。 個人的には最初の2編が良かった。 1話目「平手打ち」は、閑静な街に男が出没し、老若男女へ無差別にビンタを喰らわせるという話。この不条理な事件に、いろんな... 【続きを読む】 2019.08.15 天竺堂の本棚小説