ノンフィクション 密教の天才 “物語”加えた伝記 『空海の風景』(上・下) 司馬遼太郎による空海の伝記。 ノンフィクションとエッセイと小説が合わさったような本。 1000年以上も前の人物なので、足跡や業績については史実と捏造と錯誤が混在してる模様。 そこで著者は、遠方を望む... 【続きを読む】 2020.11.16 ノンフィクション天竺堂の本棚
天竺堂の本棚 青年コンビ活躍 連作時代劇 『きたきた捕物帖』 宮部みゆきの連作時代劇。 帯にあった「謎解き×怪異×人情」は実際そのとおりで、絶妙なブレンド具合でもって読ませます。 タイトルの「きたきた」が暗示してる、岡っ引き見習いだった朴訥な主人公・北一と、奇... 【続きを読む】 2020.11.11 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 主役より忙しい? 相棒役の著者 『メインテーマは殺人』 シャーロック・ホームズの友人・ワトソン博士とか、明智小五郎の助手・小林少年とか、バットマンの弟子・ロビンとか…。 彼ら“相棒”は意外と忙しい。 事件の謎に対して強引な憶測を展開し、物語の行方をミスリ... 【続きを読む】 2020.11.01 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 格差や分断生む 資本主義の問題 『日本列島回復論』 商品やサービスを提供する際、しばしば「差別化をしよう」とか言う。競合との差別化ができれば、値下げ競争におちいらずに済むから。 ところが、そのあたりに資本主義の大きな問題があると著者は述べる。 ライバ... 【続きを読む】 2020.10.27 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 私たちの言動縛る 閉鎖的な“場” 『同調圧力』 犯罪者の親族へ非難が集まる。部活で先輩への服従を強いられる。会議で前向きな提案をして煙たがられる。ダークスーツを着て就職活動に臨む。 これらの現象は、日本社会にはびこる同調圧力の作用。 誰かが「こうし... 【続きを読む】 2020.10.16 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 ケレン味あふれる将棋ミステリ 『死神の棋譜』 とても現実とは思えない、常識では考えられない…そんな殺人事件が、現実的で常識的な決着を迎えるというのが、ミステリーのひとつの定形だろう。 本書は奥泉光による、将棋界を舞台にしたミステリー。 矢文で届... 【続きを読む】 2020.10.13 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 ドライな死生観 戦国忍者の闘い 『忍びの国』 忍者って、超能力者かミュータントかというド派手なものから、農民以上盗賊未満ほどの地味なものまで、いろんな描かれ方がある。 戦国時代に忍者と武士が激突した「天正伊賀の乱」を扱ってる本書では、登場する忍... 【続きを読む】 2020.10.08 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 テロ行為に至る メカニズム考察 『歪んだ正義』 アニメや特撮などのヒーロードラマに登場する悪役たち。ドラマを観るに、その大多数には「悪いことをしてる」との自覚がある模様。 だけど現実の、凶悪なテロ事件を起こした実行犯たちは、マスコミへ「これは聖戦な... 【続きを読む】 2020.10.05 天竺堂の本棚知識・教養
天竺堂の本棚 巨大マンション 弱肉強食の空間に 『ハイ・ライズ』 J・G・バラードによる、純文学みたいなSF。 英ロンドンの郊外に建てられた、40階建て1000戸という巨大な分譲マンションが舞台。内部にはスーパーマーケットやプール、レストラン、学校などが整備されて... 【続きを読む】 2020.09.24 天竺堂の本棚小説