地元図書館の館長さんから、「福祉関連の特集本棚を企画している」ということで、書籍選定を依頼されたことは以前書きました。当初の選書は50冊。
その後、福祉関連の本棚を常設することになり、さらに数百冊の選書が必要に。
障害福祉分野だけならばまだしも、高齢者や児童などを含めた福祉全般となると、私個人では手に負えません。
そこで、所属している社会福祉士会の地元ブロック長に相談。ブロック内の各分野で働いている社会福祉士メンバーに協力してもらうことになりました。
果たして、2カ月と経たないうちに、400冊近い選書がそろいました。
ブロック内だけでなく、他ブロックのメンバーや、県社会福祉士会の会長からも推薦が寄せられました。ブロック長が広く情報提供して下さったおかげです。
地元の新聞社にも取材してもらい、紙面でPRすることができました。
地域社会のデータベース
公開された本棚は、市民に大好評。本棚に並んでいる書籍のうち、常時3割が貸出中と聞きました。
お手伝いさせていただいた身として、嬉しいばかりです。
「選書は図書館でもできます。ですが、社会福祉士のみなさんに選んでいただいたことで、借りる側への“説得力”が増しました」と館長さん。
加えて、社会福祉士という“フィルター”を通すことで、書籍の“質”が担保される側面もあるでしょう。例えば障害者福祉の分野では、「発達障害は治る」などと主張するような、エビデンスが定かでない怪しい本も少なからず出回っているのです。
図書館は地域社会のデータベースのようなもの。福祉に関する良質なデータが集まれば、多少なりとも、地域福祉の向上につながることが期待されます。
これもある種のソーシャルワークかも知れない…そのように思えた、今回の体験でした。
photo credit: timtom.ch Peabody Library, Baltimore MD via photopin(license)