精神科病院の保護室とは、自傷や他害のおそれがある患者のための病室のこと。
本書は、全国35カ所の精神科病院にある保護室を掲載。
写真や見取図、職員らへの聴き取りなど、多面的に紹介してあり、興味深い。
刑務所の独房のようにも見える。
しかし、独房は入室者の懲罰が目的であり、保護室は入室者の保護を目的とする。
設計思想は正反対。なのに、似てしまうという皮肉。
そんな皮肉を意識してか、保護室の壁の色、床の材質、室内の備品など、細部が「なぜこうなってるのか」について、著者は丁寧に取材してる。
保護を目的とした、設置者側の意図がよく分かる。
にも関わらず、独房と保護室は「無いに越したことはない」ところが共通してることに気付かされる。
そして、独房も保護室も「どちらも無くすことができるのかも知れない」なんて考えが浮かんできたりする。
保護室にまつわる皮肉、なかなか消えません…。