折原一の奇妙なミステリ。
急死した夫の謎を探る、妻の物語。少年失踪事件に巻き込まれる、中学生の物語。…ふたつの物語が交互に語られる。
読んでいくうちに、急死した夫が書き残した小説が“中学生の物語”であることが分かる。さらに読み進むと、中学生の物語の中に“妻の物語”が入り込んでくる。
物語がフクザツな入れ子状態に。
マリオネットの仮面を着け、少年たちに“ギロチン勝負”を挑む、どこか昭和テイストな怪人が登場したり。こんなカンジの、不自然で強引なところも散見される。
けれど、これらを「アマチュアが書いた小説」という作中作として見れば、納得できないこともない。むしろリアリティがあるのかも。
終盤は虚実があいまいになり、「そもそも実際に起きた“事件”って何?」と考えてたら、頭がクラクラ…。
混乱・困惑させられる本でした、良い意味で♪