天竺堂の本棚小説

奇怪な膜に包まれた地球 『時間封鎖』(上・下)

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謎の膜に覆われた地球 『時間封鎖』(上・下)

 読み応え満点のSF大作。

 地球が突然、謎の黒い膜でスッポリ覆われてしまい、膜外では時間が1億倍の速さで流れだす。
 このままでは、膜内で数十年が経つ間に太陽が老いて巨星となり、地球を呑み込んでしまうことに。

 そこで人類は、微生物や動植物や志願者らを積んだロケットを、膜を突き破って火星に送り込む。膜の内外の時間差を利用して短期間で火星をテラフォーミング(地球化)し、火星人類に“外側”から地球を救わせるという、オドロキの奇策。

 果たして、火星に文明を築いた人類の代表が、地球にやってきた!

 …という、モーレツに壮大な物語。それが、主人公の等身大の人生と絡み合い、独特の奥深さが生まれている。

 宇宙規模で“すごい”ことが起きる一方で、個々人にも“すごい”ことは起きている。どちらがより“すごい”のかなんて比べようがないのですw

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