読み応え満点のSF大作。
地球が突然、謎の黒い膜でスッポリ覆われてしまい、膜外では時間が1億倍の速さで流れだす。
このままでは、膜内で数十年が経つ間に太陽が老いて巨星となり、地球を呑み込んでしまうことに。
そこで人類は、微生物や動植物や志願者らを積んだロケットを、膜を突き破って火星に送り込む。膜の内外の時間差を利用して短期間で火星をテラフォーミング(地球化)し、火星人類に“外側”から地球を救わせるという、オドロキの奇策。
果たして、火星に文明を築いた人類の代表が、地球にやってきた!
…という、モーレツに壮大な物語。それが、主人公の等身大の人生と絡み合い、独特の奥深さが生まれている。
宇宙規模で“すごい”ことが起きる一方で、個々人にも“すごい”ことは起きている。どちらがより“すごい”のかなんて比べようがないのですw