天竺堂の本棚小説

服は人なり? 奇想あふれる傑作SF 『カエアンの聖衣』

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『カエアンの聖衣』

 高級ブランドのスーツをさっそうと着こなしてる人は、大企業に勤めてるように見えたり、シゴトができそうに見えたりする。
 だけど実は、着てる人なんか無関係で、すべてはスーツの効果かも知れない。その人からスーツを脱がせ、ダボシャツや腹巻きやステテコを着させたら、途端に“昭和のオッサン”が現れるのかも知れない。

 遠い未来、「服は人なり」との哲学を発展させた文明から生まれた“服”をめぐる、何とも奇想天外なSF。

 着用者の人間的魅力を引き上げる、不思議なスーツを手に入れた主人公。
 自分をダンディなエグゼクティブにしてくれるスーツに魅了され、いつしか脱ぐことができなくなり、寝る時までもスーツ姿に。

 こんな物語が、何故か宇宙規模のスケールへ拡大していくところが凄い。著者のゴーカイにして奇想あふれる“力業”が堪能できるぞ。

 水前寺清子は「ぼろは着てても/こころの錦/どんな花よりきれいだぜ♪」なんて歌ってるけど、本書によると、錦を着れば心も錦になってしまうようですw

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