ノンフィクション天竺堂の本棚

右派/左派とは別次元にある“自由” 『リバタリアニズム』

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『リバタリアニズム』

 アメリカなどで拡大してる自由至上主義、その歴史や現状などをまとめたノンフィクション。

 信奉者は「リバタリアン」と呼ばれ、市場の自由化とか、公権力の縮小、個人尊重などを進展させようと活動してる。

 個人の自由を阻害するとして、人種差別や移民排斥やマイノリティ迫害には反対。自分の身を守るのも自由だから、銃規制にも反対。他者への援助も自由ということで、社会保障の拡大にも反対。
 政治的な右派/左派とは別次元らしいぞ。

 こんな連中ばっか集まっても、まともな社会は築けない気がする。
 ところが、警察・消防以外の公的サービスをすべて民間委託し、地域行政から“独立”してしまった街が、すでにアメリカには存在する。南太平洋に人工島を浮かべ、リバタリアンの自治国家を建てるという、壮大な社会実験を進める人々もいる。

 自由って確かに大切だけど、何をもって自由とするかは、個々人でビミョーに異なるはず。なので、リバタリアンにも急進派から穏健派まで、いろんなコミュニティがある模様。

 そんなリバタリアンたちを連帯させ得る“良識”は、互いの自由を尊重し合う社会的寛容にあるそうな。自発的な優しさによって社会が維持できるなら、実に素晴らしい。
 とは言え、自由の名のもとに弱者救済を後回しにするようでは、かなり無理っぽいぞ。

 ワタシ個人としては、無人島に独りぼっちでいても自由は感じられなさそうだから、やっぱ社会あっての自由だと思ってます♪

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