どうにも“波長”が合わない、つい苦手意識を覚えてしまう…という人がいる。
できれば関わり合いになりたくないし、関わるとしても最低限の接触で済ませたい。分かり合おうと歩み寄っても、結局は無駄に疲れるだけとしか思えない。
本書には中編3作が収められており、そのうち2編に、そんな人物が登場する。生々しい存在感があるぞ。
物語の描写は、シリーズ主人公の探偵・杉村三郎による一人称。
だから、私が人物を評価する上での価値観は、主人公や、それを書いてる著者に似てるとも思える。
イヤな相手に向き合えば、ネガティブなモノゴトはよりネガティブに伝わるはず。
と言うことは、本作で主人公が出くわす困った面々は、描かれているほどには邪悪ではなかったりするのかも知れない。
でも、やっぱ会えばイヤになるんだろうな。…とか何とか、妙なことを考えながら読んでました♪