天竺堂の本棚 ~読書は最高の娯楽です~

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名将と智将が激突 軍記モノとして面白い 『ローマ人の物語:ハンニバル戦記』(上・中・下)

紀元前3世紀、イタリア半島の新興国ローマと、北アフリカの大国カルタゴが激突した「ポエニ戦役」の話。  シチリア島の支配をめぐって第一次ポエニ戦役が勃発。これはローマに有利な講和が成立し、カルタゴは西地... 【続きを読む】
エッセイ

ユルい紀行エッセイ 読ませる“芸”と“業” 『日本全国津々うりゃうりゃ』

宮田珠己の紀行(?)エッセイ集。  珍しいとまでは言えないけれど、誰もが知ってるというほどでもない。…全国のビミョーな土地を訪れ、ユニークな視点でもって観察してる。  行間に何ともユルい空気が漂う。良... 【続きを読む】
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緻密なミステリ どんでん返しに驚嘆 『秘密』(上・下)

ケイト・モートンの長編ミステリ。  主人公は少女時代、片田舎の実家で暮らしてたころ、不審な男を母親が刺殺する場面を偶然目撃してしまう。 長じて国民的大女優となった主人公は、死の床にある母親を前に、うや... 【続きを読む】
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「ダイバーシティ」で国力増大へ 『ローマ人の物語:ローマは一日にして成らず』(上・下)

塩野七生の歴史文学(主観や想像が多いことなどから、歴史書ではないらしい)。 文庫版全43巻の1、2巻。紀元前753年のローマ建国と、7代続いた王政、その後の共和制まで。  弱小国家だったローマは、周辺... 【続きを読む】
マンガ

幕末ギャグマンガ シュールな志士たち  『サカモト』

山科けいすけの4コマ時代ギャグマンガ。  舞台は幕末。主人公は坂本龍馬。 幕藩体制を逸脱する行動力を見せた龍馬だけに、誰とどう絡んでも違和感がない。  絡む相手は、サツマイモ原理主義者の西郷吉之助、モ... 【続きを読む】
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奇妙で不穏な物語 再読で印象変化 『ピース』

ジーン・ウルフによる、初期の長編小説。  アメリカの田舎町に住んでる男性の、自伝的なモノローグ。なんだけど、何ともあやふやで不可解。  エピソードの時系列が、よく分からない。主人公が生きてるのか死んで... 【続きを読む】
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宇宙規模の追跡劇 イカダで星々巡る 『エンディミオン』(上・下)

ダン・シモンズによるSF4部作の第3部。  業務上過失致死みたいな罪で死刑になった主人公が、謎の人物に助けられ、ある少女の命運を託される。ついでに、人類を支配する巨悪の壊滅や、喪われた地球の発見など、... 【続きを読む】
エッセイ

筒井康隆流の小説作法 『創作の極意と掟』

筒井康隆による、小説作法についてのエッセイ集。  作家として、読者として、長年培ってきた知見が、「迫力」「異化」「文体」などの項目ごとにまとめられてる。  極意と言うほど厳密ではないし、掟と言うほど絶... 【続きを読む】
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濃密な格闘群像劇 物語は最終決戦へ 『獅子の門 鬼神編』

夢枕獏の格闘小説、30年かけての完結編。  格闘技に情熱を燃やす青年5人と、それを見守る達人・羽柴彦六の物語…だったはずなんだだけど、闇の格闘家・久我重明の存在感が増大。青年たちや彦六までも喰ってしま... 【続きを読む】
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